めっきレスキュー隊とは プロジェクトS めっきと戦う挑戦者たち

2008年の1月のことだった。その年も福井は雪のない冬を迎えていた…

男はめっき緊急レスキュー隊の隊員だった。愛する家族の待つ家路をその夜も急いでいた。
その日が結婚記念日である事は、その日の朝、出掛けに妻に忠告されて思い出したばかりだった。

けたたましく胸元の携帯電話が鳴った。自宅は次のパン屋の角を曲がったところだ。
耳をつんざく携帯電話の着信音、だがしかしそれは日本のどこかにSOSを発しているお客様が必ずいるという合図なのだった。3回目の呼び出し音がハザードの音とリンクした。
男は間髪入れずに路肩に停車した。

「こんばんわ、こちら三和メッキ工業緊急レスキュー隊です!」

トラブルは紛れもなく現場で発生していた。電話越しのお客様はかなり取り乱していた。置かれている立場上無理もない事だが、時間も無いのは明らかだった。男は状況を順を追って冷静にヒアリングしていった。

事態は深刻だった。デトロイトに向けて出荷を控えた高炭素鋼部品に処理されたニッケルクロムめっきが、工場出荷直前の最終検査時に無残にも密着不良を起こしていた。
1ロット30個中不良率100%のその不具合製品は、気泡のように皮膜を浮かせて陳列されているという…

「前処理だ!」

…どれぐらい時間が経っただろうか。男はそれが自分の声だと気付いた。
問題の製品の工程はめっき前にバフ研磨が組み込まれているという。
さらに厄介なのは、研磨業者とめっき処理業者が別々に存在するということであった。

大手メーカーの技術部員であるそのお客様は、社運を賭してトラブルシューティングを任されているようだった。
おのずと力の入るお客様の口調に、男は熱意と責任感を感じずにはいられなかった。

もはやお客様の会社名・取引関係の有無など問題ではなかった。
‘もしかして?’は、確信に変わっていた。

問題はめっきの前処理なのである。
そのニッケルクロム処理を施しためっき業者では、
脱脂前の■■■■を、全くしていなかった。

それにより、下地処理が不十分であると目視で確認できないままめっき処理に移行してしまったのであった…

かくして、4日後の夕方。完全に輝きと密着性を取り戻した製品たちは、福井県福井市の三和メッキ工業(株)第一工場のドアから、世界に向けて出荷されていったのだった。

本来であれば、上記の様な一連のやりとりは発生してはならない事だと考えます。
しかし私たちは、このようなお手伝いをさせて頂くのも
めっきを扱う男たちに与えられた宿命
だと捉えています。
毎営業日の8:00〜22:00まで、めっき緊急レスキュー隊員たちが、雨の日も・風の日も・風邪気味の日もお客様からのSOSをお待ちしております。
どうぞご安心下さい。




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